『天の蛍』コミック版の作者、小村博明さんに密着
コンセプトムービー
poool君
今回の鳥取×働く人は漫画家の小村博明さんの登場です。過去にイラストレーターさんや絵描きさんの出演はありましたが、漫画に特化した方の出演は初めてなので楽しみにしていました。小村さん、よろしくお願いします!
小村博明
こちらこそ、宜しくお願いします。お世話になります。
poool君
pooolとコムラスタジオはお互いに仕事を依頼しあう、持ちつ持たれつの関係ですよね。
小村博明
こういう形で改めて会うと変な感じしますね(笑)
コムラスタジオについて
小村さんの活動
poool君
まず、小村さんの活動について聞かせてください。
小村博明
主に漫画を描いている漫画家です。テキストだけではわかりにくいもの、若い方がターゲットのものに対して、漫画というツールを提案させてもらっています。また、漫画だけではなくイラストを描いたり動画制作も行っています。
『天の蛍』出版時の様子
poool君
小村さんと言えば、代表作である江府町が舞台の小説『天の蛍』のコミック版が記憶に新しいです。当時の様子を教えてください。
小村博明
実は長編漫画をネームから描かせてもらったのは、この『天の蛍』が初めてでした。このネームという作業は、実際に皆さんが目にしている漫画の前の段階の作業で、漫画家としての自分の想いを込めることができました。
初めてネームから制作した作品
poool君
意外にも、ネームから携わったのは初めてだったのですね。
小村博明
江府町の町長さんと課長さんが『天の蛍』の原作のファンでして、直接お会いして打ち合わせさせてもらいました。「あのキャラのあのシーンを入れてほしい」という要望を、生の声として聞くことができました。
poool君
それは作品作りに活かせそうですね。
小村博明
クライアントでありファンでもある方からの要望だったのでプレッシャーもありましたが、僕自身も描かせてもらいながら熱くなるシーンでは泣きそうになることもありました。
poool君
リリース後の反響は?
小村博明
手に取ってもらった方から「あのシーン良かったよ」という感想をいただくことがありました。これまでの僕の作品にはあまりなかったことです。この作品に関わることができて、本当に嬉しく思います。
『天の蛍』はどこで購入できるの?
poool君
今日現在、『天の蛍』はどこで購入・入手可能でしょうか。
小村博明
今井書店さんの全店舗で購入可能です。また、楽天やamazonなどインターネットでの購入もできます!
poool君
江尾十七夜って、とても良い雰囲気のお祭りらしいですね。
小村博明
元々僕も知っているお祭りでしたが、小説を読んでから、僕にとっても特に思い入れのある祭りになりました。
poool君
その地域の出身者以外の方からも親しまれて愛されるお祭りって、中々ないと思います。
小村博明
その行事が昔から現代まで、どう繋がれてきたのかという歴史を知ると、より一層楽しめると思います。
『山陰トラベラーズ』
poool君
小村さんと言えば山陰の観光スポットをマンガで紹介する『山陰トラベラーズ』制作の際、クラウドファンディングに挑戦され、無事に目標金額に到達されました。当時の心境を聞かせてください。
小村博明
コムラスタジオとして、漫画家として、何か愛されるコンテンツを立ち上げたいという想いがありました。僕自身も神社巡りが好きで、漫画を通じて楽しみ方を伝えたいな、と。
poool君
私は山陰トラベラーズのファンの一人ではあるのですが、最近更新されていませんよね?(笑)
小村博明
おっしゃる通りです(笑)僕自身、Webメディアを更新した経験がなく、全体のディレクションやハンドリングなどで苦労しています。
この記事が公開されるタイミングにもよりますが、近々更新していく予定です。
『男四人旅』
poool君
ムービーコンテンツ『男四人旅』の制作もされていました。クリエイターや活動家の四人が山陰の観光スポットを巡ったり、創作活動を体験したりと、意欲的な作品だったと思います。
小村博明
元々、クリエイターの集まりで飲み会の席があり、僕が当日お酒を飲めない日だったのです。必然的に送迎係になったのですが、その道中、車中が楽しくて。
poool君
ええ。
小村博明
それで「皆で旅行をしよう!」という話になったのですが、それを動画に収めてコンテンツ化して発信しちゃおう(笑)というのが始まりでした。
poool君
特に体験コーナーが見応えがありましたね。クリエイターが別のクリエイティブな事に挑戦する姿は興味深かったなぁ。土俵が変わっただけで、それぞれが「らしい」物を作り上げるのは面白かった。
小村博明
きちんと紹介できた自信はありませんが(笑)
良くも悪くも自由に気ままなクリエイターらしさが演出できたとは思います。
漫画家 小村博明について
幼少期や学生時代の小村さん
poool君
ここからは漫画家小村博明の素顔に迫っていきたいと思います。幼少期や学生時代はどのように過ごされたのですか?
小村博明
おそらく、お調子者だったと思います(笑)
特別目立つタイプだったわけでもなく、ただ騒がしいだけだったような…。
特別目立つタイプだったわけでもなく、ただ騒がしいだけだったような…。
絵はいつから描いていたんですか
poool君
いつから絵を描くようになったのですか。
小村博明
当時はドラゴンボールが好きで、すごく小さい頃から絵自体は描いていたと思います。
poool君
いわゆる『漫画家』になったのはいつ頃?
小村博明
漫画を描き始めたのは25歳くらいだったと思います。高校卒業後は自動車整備の仕事をしていたのですが、ずっと漫画を描きたい気持ちがあり、無計画に書き始めました(笑)
poool君
25歳から描き始めるというと、業界的には遅いイメージがあります。
小村博明
そうですね、初めて1~2年は自分は何も描けないな、と挫折の連続でした。漫画家として絵を描くのは辞めて、ネーム作業だけに専念することも考えました。
小村さんが影響を受けた作品
poool君
漫画家小村博明が影響を受けた作品や漫画家がいれば教えてください。
小村博明
これは迷いません!「うしおととら」ですね。この作品は、今でも漫画の頂点だと思っています。
poool君
漫画家というのは上級職なイメージがあります。絵が描けないといけない、構成力もあり、ストーリーテラーである必要があります。
小村博明
漫画雑誌は多く出版されているし、漫画家が狭き門だとは考えていませんでした。漫画家を志した当時僕が無知だったこともあると思うけれど(笑)
poool君
小村さんが考える、理想の”漫画家像”を教えてください。
小村博明
呼吸のように描ける人。僕は漫画を描く時は滅茶苦茶緊張して描きます(笑)自然に描ける人に憧れますね。
漫画家が辛い時
poool君
漫画家が辛い時、どんな時?(笑)
小村博明
自分の描くのが遅いと感じてしまった時、画力が高くないのを痛感した時。忙しさよりも絵のことで悔しい想いをすることが多いですね。
師匠について
poool君
小村さんにとって、師匠と呼べる人はいますか?
小村博明
ラ・コミックの寺西先生です。構成、コマ割、導入、振りの付け方、おさめ方など、漫画に関わる全てを指導していただきました。あの方がいなければ、今の僕はないと思います。
poool君
そうなのですね。
小村博明
プロジェクト全体を通して、コンセプトメイキングや打ち合わせの運び方など、描くこと以外のことも教えてもらいました。
山陰で注目しているクリエイター
poool君
また、小村さんが山陰で注目しているクリエイターや絵描きさんがいれば教えてください。
小村博明
タブチサトシさんです。あの人の画力を見た時は衝撃を受けました(笑)
poool君
あの人は上手いですね。pooolとして仕事を依頼したこともありますし、この山陰ペディアにも出演していただきました。
小村博明
山陰にあんなに上手い絵描きさんがいて、刺激をもらっています。もっと皆、タブチさんに仕事を頼もうよ!と感じています(笑)僕自身、タブチさんが描く絵をもっと見ていたいです。
この仕事をしていて嬉しかったエピソード
poool君
この仕事をしていて良かったこと、嬉しかったエピソードなどあれば聞かせてください。
小村博明
繰り返しになってしまいますが『天の蛍』で色んな方から感想をもらえたことです。特に、自分が直接繋がりを持っていなかったから感想をいただいたこと、仕事に繋がった時は嬉しかったですね。
漫画家になりたい方へメッセージ
poool君
小村さんのように絵が上手くなりたい、漫画を描けるようになりたいといった夢を持つ若者に対して、メッセージやアドバイスをお願いします。
小村博明
きちんと考えて描くこと。それは構図や絵のバランスを整えることもそうですし、何をどう伝えたいからを考えて描いてほしいです。小学校で漫画を教える時は、お弁当箱の真ん中にいきなりタコさんウインナーを置かないでしょう、と言っています(笑)
山陰、地域性について話
地方での創作活動
poool君
地方で創作活動する事について、どう思われますか。
小村博明
漫画家のような仕事に限った話かもしれないですが、形のないところから作り上げる仕事に、地域性は関係ないと思いたいです。また住んでいる場所を超えて、一緒になって作っていけると良いなと、最近特に考えています。
山陰のおすすめ観光スポットを教えてください!
poool君
漫画家であり山陰トラベラーズ管理人の小村博明に聞きたい!山陰の観光スポットを教えてください。
小村博明
大山は外せないかなぁ。以前、レンタカー屋で働いていたことがあるのですが、お客様を乗せて境港から米子まで車で走るんですが…。
poool君
はい。
小村博明
車を運転していると、お客さんがすごく驚くんです。「山が迫ってくる!すごい!」と。
poool君
(笑)
確かに、背の高い遮蔽物もないですし、やはり大山は特別だなぁ。
確かに、背の高い遮蔽物もないですし、やはり大山は特別だなぁ。
小村博明
僕達が当たり前だと思っているものが、都会から来た人にとっては特別に感じるみたいです。
最後に
今後の夢や目標
poool君
コムラスタジオとして、漫画家小村博明としての、今後の夢や目標について教えてください。
小村博明
地元発信の漫画コンテンツをもっと生み出していける存在になりたいです。そして、山陰トラベラーズも、更に充実させます。
週刊少年ジャンプにもまた応募したいです!次は大賞を獲りたい!
読者の方へメッセージ
poool君
最後に読者の方へメッセージをお願いします。
小村博明
表現したい事があれば、声をかけてやってください!!
poool君
今回の鳥取×働く人は漫画家の小村博明さんでした!小村さん、ありがとうございました。
小村博明
こちらこそ、ありがとうございました。
小村 博明(こむら ひろあき)
コムラスタジオ代表/漫画家
鳥取県米子市出身
コムラスタジオ代表/漫画家
鳥取県米子市出身
漫画家小村博明は25歳から本格的に漫画を描き始める。
高校卒業後は自動車整備の仕事をしていたが、幼い頃に絵を褒められた記憶が焼き付いていた。
自信を持ってスタートしたものの、最初の数年間は何も描けなかった。独学で磨きをかけたものの、漫画の描き始めはいつも緊張してしまう。
小村の描く絵は良くも悪くも癖がない。それは、彼が多感な時期に漫画を描いていなかったから。絵から離れていたからなのかもしれない。
ラ・コミックの寺西竜也氏に師事。コマ割り、導入、振り、締め方など、漫画のイロハを叩き込まれた。また、打ち合わせにも同行させてもらい、漫画案件の進め方なども学ぶ。
代表作は江府町の「天の蛍ー十七夜物語ー」。作家・松本薫原作の歴史小説「天の蛍」をミック版にしたものだ。睡眠時間を削り、仲間の力を借りながら描きあげた。意外にも、小村にとってはネームから携わった初めての長編作品となった。
今では、漫画を描き始める時の緊張感は、少しだけ和らいだ気がする。
Webサイト
https://komura-studio.com/
インタビューを終えて
poool君
過去から現代まで繋がれた作品、天の蛍。
poool君
今井書店の各店舗で購入可能です!
小村博明さん、ありがとうございました!
The following two tabs change content below.
山陰ペディアの名ばかり委員長。
担当はシステム、デザイン、ライティング。
本業はWebプロデューサー。
好きな事は、ゲーム・アニメ・お酒を飲むこと、歌うこと。
最新記事 by poool君 (全て見る)
- 475デジタル矯正ラボ - 2024年9月6日
- 【鳥取×働く人 vol.63】ベーシスト/chang Project「吉川 衛」さんにインタビュー - 2024年7月27日
- 【鳥取×働く人 vol.62】元なでしこジャパン主将/北斗ソアラFC監督「大部 由美」さんにインタビュー - 2023年7月27日
- 【鳥取×働く人 vol.61】BAR エルドラド/居酒屋ジパング代表「植田 貴太」さんにインタビュー - 2023年4月24日
- 【鳥取×働く人 vol.60】シンガーソングライター「長尾 哲成」さんにインタビュー - 2023年4月4日
1 件のレスポンスがあります
[…] […]