
軽費老人ホーム福原荘の施設長
老人ホームの施設長をされている三島さんに福原荘の紹介をしてもらいました。
三島さんとはWebサイト制作をさせてもらってからのお付き合いですね。
こちらこそ、ありがとうございました!
こうやって、じっくり三島さんとお話しするのも久しぶりですので楽しみにしていました!
軽費老人ホーム福原荘とは?
まずはじめに、軽費老人ホーム福原荘の紹介を簡単にお願いします。
老人ホームというと、寝たきりの方や、車椅子での生活の方、食事の介助が必要な方が利用されるイメージの方も多いかと思います。しかし福原荘では、主に介護が必要ではない方が利用される施設です。
福原荘は低額な料金等で、自立した日常生活を営むことについて不安がある方に対して、お食事の提供や入浴等の準備、生活相談、健康チェックなど日常生活を営む上での必要なサービスを提供し、安心して生き生きと明るい生活を送っていただくことを目指しています。
いわば、高齢者の集合住宅=生活支援施設(「住まい」「食事」「生活支援」を中心にサービスを提供)と言えるでしょう。
今の管理体制になる前から施設そのものはありますから、長いですよね。
軽費老人ホームの歴史は古く、昭和38年に老人福祉法が制定された際に作られたもので、老人ホームの老舗のひとつです。
福原荘は1982年(昭和57年)に鳥取県立の軽費老人ホームとして開設、2006年(平成18年)より指定管理者制度により社会福祉法人宏平会が管理・運営を行い、2009年(平成21年)より県から移管され完全民営化となり、現在に至っています。
「施設長」のお仕事
福原荘の施設長である三島さんですが、日々のお仕事内容を教えてください。
基本何でもしていますね(笑)
朝はまずトイレ掃除から一日が始まります。各種行事に参加や施設内の農園管理、現場には率先して行くようにしています。
他には人事のことや対外的なセッションもありますし、地域の方とのコミュニケーションも欠かせません。また、老人福祉団体などのお手伝いもさせていただいております。

三島達也さんとご入居の方のツーショット。
「軽費老人ホーム」、他の施設との違い
介護が中心の施設ではなく、「住まい」「食事」「生活支援」を中心にサービスを提供しているという点でしょうか。最初にも少しお話したように、主に介護が必要ではないお元気な方が利用されます。
入居の方が「自立して生活」されているイメージです。
入居されてから、多少のサポートが必要になった場合は?
その中で、例えばお風呂に入れなくなった、身の回りの掃除が出来なくなった、という方がおられたら、外部から訪問介護を利用して来ていただいたり、ここからデイケアやデイサービスに行くこともできます。
はい。ただし、例えば食堂まで自分で行けなくなった方、外出したけど帰れなくなる方、等の介助が必要な方のご利用は難しいですね。
他施設との連携の仕組み
他の施設との連携の仕組みやシステムなど、教えてください。
社会福祉法人宏平会の他施設や医療法人社団昌平会の病院と連携、近隣になる嘱託医や地域包括支援センターや医療福祉機関、行政など連携をとり、何かあればすぐに相談しています。
もちろんケアマネージャーとの連携も欠かせません。
来訪される方より「入って来やすい雰囲気がある」と言っていただきます。ありたいですね。
若い職員も増えてきていて、職員一人一人が自分たちで工夫しながら働いています。
入居の方の一日のスケジュール
入居の皆様の一日の生活のスケジュールについて聞かせてください。
まずは7時半に朝食です。そして8時半ごろから居室訪問といって、入居の方のお部屋に職員が伺い、健康状態や困ったことがないかといったことを確認しています。
午前中には朝の体操や嚥下体操、行事、パンなどの訪問販売もあります。
12時半の昼食を終えると午後にも行事などが催され、夕食となります。
行事は自由参加ですが、お部屋で過ごされることが多い方など、こちらから声をかける必要のある方には参加を促しています。
行事にもいろいろなものがありますので、お一人お一人が選んで、好きなものに参加していただけるのも良いところだと思います。自主性を大切にし、意欲を引き出せるような行事を日々考えています。
健康状態の把握
高齢の方が多い中で、入居の方の健康状態の把握など、どのように行っていますか。
先ほどの朝の居室訪問をはじめ、定期的に血圧や体重を測定しています。
また医師に週に1回来ていただき、必要に応じて診察も可能です。また、年に2回の健康診断なども行っています。
普段の変化から受診を検討することも多く、日ごろの関わりが大切です。
個別性や自己実現について
入居の方の趣味や習慣、生活をしていく上での目標など、小さなものから大きなものまで「個人」としての自己実現欲求があると思います。
個別性を出すために、何か工夫をされていますか。
はい、例えば誕生日には「夢をかなえる企画」というのをやっています。
入居の方にどこに行きたい、何をしたい、といった夢を聞いて、近隣でできることは実現してあげる、というものです。
イオンで買い物がしたいとか、あそこの美味しい店でご飯が食べたいとか。この前も大山のミルクの里に行きたいということで、ソフトクリームを食べられました。
いくら近隣で可能な事とは言え、一人一人と向き合っている姿勢がすごいですね。
また印象的だったのは、若いときの夢をお聞きしたときに、当時は戦争で貧しい時代のために実現できなかったことが多かったようなんですよ。
夢をかなえること、思い出をつくることに、「遅すぎる」なんてことはないのかもしれないですね。
入居の方は、ここに来て残りの人生を過ごされることになります。だからここで色々なことを体験してもらいたいと本当に思いますね。だから入居の方が「記念になったわ~」と言ってもらえるようなことを、ご提案できればと思います。「モノより思い出」で、体験とか、思い出作り、というのを大事に考えています。

取材にお伺いした日は行事で「ゴルフ」をされていたので、お邪魔させていただきました。
空室状況
ありがたいことに、今は空室はありません。大体常に15名程度の待機の方もおられます。
食事は「シダックス」さんに給食委託
入居の方に提供されているお食事は、どのようなものですか。
カラオケ事業でも有名な「シダックス」さんに給食委託し、ここの厨房をお貸しして、お食事を提供しています。糖尿病食など、可能な限り入居の方に合わせたお食事をご提供しています。
食事が美味しい、というのは入居の方にとってとても大切ですよね。
季節感などにもこだわりがありますか。
はい、行事食や企画食にも力を入れています。最近では、サッカーワールドカップに関連して日本応援メニューということで「ニッポン勝ち飯」や開催国のロシア料理をお出ししました。4月6日には「白の日(4・6=シロ)」として真っ白なメニューを揃えたり(笑)
「食事が楽しみ」というのは、良い施設の一つの指標だと思います。
ちょっとしたことにも興味をもってもらえるように工夫しています。
やはり「口福(幸福)」とも言いますし、食の楽しみを大切にしていきたいですね。

福原荘の掲示物を紹介していただきました。
はい、東日本大震災や熊本地震の復興支援で「食でつながる!東日本応援フェア!」や「食でつながる!くまモン応援フェア!」など、食べて応援するプロジェクトを行っています。
被災地の特産や郷土料理を知ってもらい、食べることで被災された方々に心を寄せたり、災害を思い出すことにもつながると思っています。
また、入居の方の思い出のメニューを再現する企画も行っています。
入居の方に思い出の料理とそれにまつわるエピソードを聞いて、再現させてもらいます。昔母親が作ってくれた味、旦那さんと旅行で食べた時の味。
そんな思い出を振り返って、食べながら涙を流される方もおられました。
食事でも入居の方一人一人と向き合っておられるのですね。
給食委託業者の方と月に一度給食会議を開いており、ここでは委託業者のスーパーバイザーと栄養士、福原荘からは僕や管理栄養士が参加して、食事内容などについて話し合っています。
入居の方が給食委託業者に直接意見を言える場も設け、可能な範囲で食事内容に反映させています。
「味噌汁が薄いわ」とか、「この味付けは~」といった色々な意見を言われるので、給食委託業者さんもヒヤヒヤかもしれません(笑)でもそのお陰か、味がよくなったとお褒めの言葉もいただけています。
入居の方がダイレクトに伝えることができる、コミュニケーションがある、というのがポイントでしょうし、お元気な方が入居されている福原荘だからこそできることかもしれません。
日々の悩み事の相談
入居の方の日々の生活の困り事やストレス、施設に対する不安・不満などはどのように受け入れられていますか。
毎朝の居室訪問で困りごとを聞いているのもそうですし、意見箱も設置しています。また生活相談員もおります。
面と向かって言いにくいことは、意見箱があると助かりますね。
ただ、全員が相談係でもありますので、普段の関わりやコミュニケーションの中でお話を聞くことができるようにしています。
僕自身も、「施設長として」ではなく、日ごろから入居の方々と一緒に作業をして、お話をしていくように心がけています。
福祉施設、老人ホームとして、衛生面や健康面で気をつけていること、対策などあれば教えてください。
入居の方に限らず来訪の方にはまず最初に玄関で必ず手洗い、手指消毒をしていただいています。入居の方には、食事前に放送で手洗い、手指消毒をするよう呼びかけや、適宜感染症など関わる情報を提供し、注意喚起を行っています。
万が一インフルエンザなどの発症があった場合には、発症した方にはお部屋から出ないようにといったお願いや、福原荘全体の食事や入浴の時間を調整させていただいたり、蔓延しないように対策をとります。
入居の方のご協力があるからこそ、予防と拡大防止の対策がとれています。
全国からお問い合わせ
鳥取県だけでなく全国から利用・入居されていますが、何を見て福原荘を知り、問い合わせされるのでしょうか。
一番多いのは、ケアマネージャーからの紹介です。また、行政に薦められたり、折込広告を見て知っていただけた方も多いようです。
遠方の方は特にホームページを見て興味を持っていただいているようですね。例えば子供は東京に出ていて、親は一人で米子にいるという場合。お子さんがインターネットで探していたら福原荘を知って問い合わせをいただくこともあります。
ホームページはうちの雰囲気や中身が一番よく分かりますので、近隣問わず紹介の方も一度は見てから来られるようですね。
福原荘のWebサイトについて
福原荘のホームページでは、「フォトギャラリー」や「福原荘のごちそう」など、きちんと日々の更新をされていますよね。
更新業務は三島さんが担当されておられるのですか。
そうです、すべて私が写真も撮って更新しています。「1日1更新」と思って毎日やっていますね。
急いで更新して誤字脱字がよくあるんですよ、しまったー!と思うこともよくあります(笑)
ホームページや広報誌など、情報発信に力を入れられているように思いました。
閉鎖的な雰囲気ではなく、オープンな施設というイメージがあります。かなり反響も大きいのでは。
ホームページはとても見やすいと皆さんから好評です。リニューアルしながら、また新しいことにも挑戦していきたいと思っています。
これはお世辞ではなくpooolさんに制作していただきとても感謝しています。何回も言いますが、これは本当にお世辞ではありません(笑)ありがとうございます!

軽費老人ホーム福原荘の公式Webサイト
pooolの話はやめましょう(笑)広報誌についても教えてください。
広報誌「浜辺」は、月に1度福原荘の様々な情報を入居の皆様、ご家族様、そして地域の皆様にお届けしています。
表紙には水彩画、文字はユニバーサルフォントという見やすい字体を使って、親しみやすさや見やすさを重視して作成しています。
広報というと、一般的には自らの活動を知ってもらう情報を発信して、アピールするといった意味で使われることが多い言葉ですが、これは狭い意味での「広報」の捉え方だと僕は思っています。
「広報」の語源は英語の「パブリック・リレーションズ(Public Relations)」で、「社会との信頼関係作をつくっていくこと」というのが広報の真髄だと思うんですよ。
広報、広聴を通して地域の交流を深め、双方向のコミュニケーション活動で信頼関係を作っていく、というのが大切だと思います。
「Feel my heart~軽費老人ホーム福原荘の潮風Diary~」
35周年を記念されまして、「Feel my heart~軽費老人ホーム福原荘の潮風Diary~」をだらずFMさんで収録・放送されていました。入居の方が楽しそうに話をされている素晴らしい番組だと思います。
お陰さまで新聞やテレビでも取り上げていただきました。
「入居の方が主人公」という作り方を意識して、人生を語る、というラジオ番組を作りました。タイトルに関しても、敢えて「Feel my heart(私の気持ちを感じてほしい)」と横文字にして、聞いている人に何かな?と興味を持ってもらえるようにしたんです。
ちょっと変わった企画は僕が考えています
ここまで様々なイベントや食に関するアイデアを聞かせていただきましたが、企画力が素晴らしいと感じました。
四季や季節感を感じる行事の他、観光名所で歴史を感じたり社会見学なども実施されています。こういったアイデアは三島さんが考案されているのですか。
ちょっと変わった企画は僕です!(笑)以前は夏祭りでだらずプロレスさんを招いて、僕も試合に出てちょっと小芝居打ったりしたことも(笑)
職員が自ら企画立案して、予算も制限はありますが任せて好きなことをしてもらう、という事もあります。
昨年はピンポン大会や大ビンゴ大会、昭和の懐かしい品々など展示した「昭和レトロ展」、職員が店主の1日だけの喫茶店を開くようなイベントを実施しました。僕も少しアドバイスをしながら、皆で協力して作り上げています。
福原荘さんならではの「情報発信」や「イベント」。今後も福原荘さんから目を離せないですね。

2018年6月の福原荘スケジュール
三島達也さんについて
勤め始めて13年目
社会福祉法人宏平会、福原荘に勤められてどれくらいですか。
平成18年から勤めているので、13年目になりますね。
宏平会、福原荘に勤められる前はどのようなお仕事をされていましたか。
もともとは病院(医療法人)の看護助手、今で言う介護員として勤めていました。
平成15年に宏平会に転籍になり、現在4施設目です。
一に挨拶、二に笑顔、三四が無くて五に掃除
人と人とのお付き合いや接し方が大事な仕事だと思います。
施設長として、入居の方々や職員と接する際に心がけていること、気をつけていることがあれば教えてください。
知識や技術はもちろん大切です。
その上で、一に挨拶、二に笑顔、三四が無くて五に掃除。これに尽きますね。
この仕事をしていて嬉しかった出来事は?
この仕事をしていて嬉しかった出来事、エピソードがあれば教えてください。
平成18年、最初が本当に苦労した時期でした。以前まで運営していた社会福祉法人の職員が退職し、新採用中心の職員体制になり僕は38歳で施設長になりました。
ほぼ総入れ替えといった感じでしょうか。入居の方は戸惑いそうですね。
それまでの施設長に比べて若く、威厳もなかったのでしょうね。新しい職員ばかりになり入居の方からの信頼もまだまだの状態です。
とにかく僕自身が色々動かないといけないと思い、行事や清掃などなんでも行っていました。
それからしばらく経った数か月後ぐらいだった思いますが、お風呂掃除やっていた時、廊下から入居の方の声が聞こえたんですよ。「見てみない、施設長さんが風呂掃除しとられるで!私たちも頑張らんとなぁ」って。
その頃くらいから職員と入居の方との距離が縮まって来たと思います。僕も含め職員が何事も懸命に取り組む姿を必ず見ていただけているんだな、としみじみ思いましたね。
これは医療・福祉だけではなく、どの職業でも言えることだと思いますが、こちらが助けているようでも、「ありがとう」という言葉で、こちらも助けられているんですよね。
もちろんこういう施設で働いていると、人の死に関わったり、突然の別れがあるのはこの仕事の悲しいところです。だからこそ、普段からのコミュニケーションを大切に、一日一日を大切に、少しでも喜んでもらえるように、ということを考えます。
三島さんが考える「利用しやすい老人ホーム」とは
三島さんが考える、「利用しやすい老人ホーム」「過ごしやすい老人ホーム」を教えてください。
「何気ない日常の生活」を大切にしたい思っています。
もしかしたら「普通」は褒め言葉ではないかもしれませんが、地震など災害時に電気や水道が使えなくなるととても不便に思い、普段の生活や何気ない日常のありがたさ、大切さを感じると思います。
「シンプルなものにこそ本質がある」。私たちも普段の挨拶や会話、さりげない気づかいの言葉、笑顔、清掃、豪華なお食事では無いかもしれませんが、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、季節や話題に応じたお食事、毎年の恒例の季節の行事などそんな「何気ないいつもの生活」を大切にと考えています。
豊か過ぎると、見失ってしまうモノがあるかもしれません。
また、コミュニケーション豊かであるということ。近すぎず遠すぎず適度な距離を保つこと。そのために、普段からの会話がとても大切だと思います。
福祉業界の人材不足問題について
福祉業界、介護士などの人手不足や薄給がニュースになることがありますが、どうすれば人材が集まると思いますか。
難しい問題ですよね。
どこかのアンケート結果を耳にしたことがあるのですが、親の世代に、この業界についてどう思うかといった質問に対して、イメージが悪いようなんですよ。それは様々なニュースを見て判断していたり、長続きしないことが原因で。
メディアなどの報道で、何となく「大変そう」というイメージを抱いている方が多いかもしれません。
でも、職場体験などで中高生の生徒さんが毎年来てくれますが、そういった若い世代は興味を持ってくれる子も多いんです。それが親御さんの言葉を聞いたり世間のイメージを考えて離れていく。
これからは、情報発信が大切だと思います。
この世界のいいことは、こちらから発信していく。実際テレビ局や新聞社などにプレスリリースを出すこともありますし、いいことや楽しさを自分から広めていくことが必要です。
イメージアップのためには、他ではやらないこと、人とは違う情報発信をしていかなければいけませんね。
そして、先程の話にもあった通り、「双方向の情報発信」であること。
そして人を集めることはもちろん、人が入ってから辞めない環境であること。うちの施設は若い人も多いですが、辞める人が少ないんです。仮に辞めてしまう人がいても、いい印象を持って去っていく。これが一番大切かもしれませんね。

「農作業しているところが自分らしい」ということで、撮影させていただきました。
採用は最初の1分間で決まっている
三島さんは、職員採用の面接の際にその人のどういった部分に注目しますか。
極論になりますが、面接は最初の1分間で決まっているのかもしれません。
雰囲気だったり、挨拶や言葉遣いや所作。採用してよかったと思う人は皆、第一印象が良かった人ですね。
そんなことないですよ。実際福原荘は、未経験から始められた方も多いです。
経験はあるに越したことはないかもしれませんが、そこだけでは判断しません。
福祉業界の虐待事件について聞く!
福原荘さんのような元気な方が住まわれる施設とは離れた話となってしまいますが、福祉施設・介護施設の虐待や暴力事件についてお聞きしたいです。
業務過多によるストレスや知識不足など、様々な原因が挙げられていますが、今後このような事件を業界全体で減らしていくために、どのような対策が必要だと思いますか。
少ない人数で業務を行っていると、心は疲弊してしまいます。適切な人員配置と見合った手当て(報酬)が必要で、施設理念、研修体制や福利厚生も大切だと思います。
今後、福祉業界で働く人に「大切にしてほしいこと」
今後ますます需要が高まる業界であり、職種だと思います。
これから福祉業界で働く人に、大切にしてほしいことは何でしょうか。
これは職業体験に来た中学生なんかにも伝えることなんですけどね。
「福祉」という言葉は、「幸せ」という意味なんだと。人を幸せにするための仕事なんだよと言います。
地味なことも多いですが、楽しいことも多いです。
「第二回鳥取県災害ボランティア隊」で熊本地震による被災地の支援活動に参加されていましたが、そのときのお話を聞かせてください。これはプライベートで行かれたのですか。
はい、プライベートで行きました。
学生時代に熊本に住んでいたこともあり、ボランティアに参加しました。仮説トイレの掃除や、瓦礫処理、被災地の方々のお話を聞いたりしました。
あぁ、ボランティア中に不思議なことがありましたよ。
3日目のニーズ調査の際、困ったことはないかお話を聞いて回るんですけど、そのとき被災者の中に、両親が境港出身です、という方がおられました。
「鳥取からようこそ来られて、大変ですね。さぁお茶でも」なんて言われて、いやいやいや、と(笑)反対に気遣っていただき助けているようで助けられているなぁと感じましたね。
どんな場所、どんな状況でも「おもてなし」の精神があるのでしょうか。
ボランティア隊の中には東日本大震災のボランティアに向かわれた方もおられ、ボランティア経験のある人の話も聞けて、大きな財産となりました。
プライベートの話
これだけパワフルでエネルギッシュな三島さん。プライベートについても聞いてみました。
長距離ウォークイベントについて
少しだけ、プライベートな質問をさせてください(笑)
制限時間24時間の100kmウォークイベントに参加されていますが、始められたきっかけを教えてください。
普段から長期は歩いていたので限界に挑戦と思い、3年前くらいから100kmウォークに参加しています。
昨年の100kmウォークは標高900mの中国山脈を横断するというものでした。延々と続く登り坂で足に痛いし、もう帰りたい、限界だと何度も思うんですよ(笑)
でも段々と、一歩一歩でも少しずつでもゴールに近づくこと、一歩一歩でが自分の限界の更新なんですね。
24時間・100kmという非日常的な体験が100kmウォークの醍醐味で、少しでも前に歩み確実に進んで行けばその先に何かがある、歩きながら色々なことを考え「挑戦・感動・感謝」の100kmウォークでした。
いやはや、プライベートでもバイタリティ溢れる三島さんが素敵だと感じました。
でも、自ら進んで苦しむことに挑むんですから、ある意味変人の集まりですよね(笑)でも、終わった後のビールは最高です!
最後に
今年度、福原荘の理念を変えようと考えています
今年度、理念を変えようと考えています。
現在、「入居者の皆様、地域の皆様の歓喜を追及し続けます」といった内容を考えています。
これからは「customer joy=顧客歓喜」を考え、皆さんが喜んでいただけること、歓喜を追及し続けて、職員が一丸になって、入居の方だけではなく、地域の方にもできることを還元していきたいですね。
読者の方へメッセージ
最後に、このページを見ている読者の方にメッセージをお願いします。
軽費老人ホームはあまり馴染みのないものかもしれません。お元気な方が中心の施設ですので、ぜひホームページなど見ていただいて、知っていただけると嬉しいです。
三島 達也(みしま たつや)
軽費老人ホーム福原荘 施設長
もともとは病院(医療法人)の看護助手、今で言う介護員として従事。
平成18年に38歳の若さで福原荘の施設長に就く。当初は職員や入居者からの信頼もなかったが、「自分が率先して動く」ことを実践し、行事や清掃に一番に参加。
懸命な姿が認められ、周囲からの信頼を築いていく。
また、情報発信にも力を入れており「Webサイトの刷新」「広報誌の発行」「地域ラジオへの出演」など、様々なことに取り組む。
単方向のPRではなく、地域の方との双方向の情報発信を目指す。
2018年度は施設を更に発展・進化させるために「理念の変更」にも着手。
「customer joy=顧客歓喜」を掲げ、入居の方だけではなく、地域の方にも「感謝」の還元を目指す。
Webサイト
http://www.fukubarasou.com/
インタビューを終えて
トップが率先して清掃や農作業に参加していく、それは誰でも出来る事ではありません。
三島達也さん、ありがとうございました!
The following two tabs change content below.
山陰ペディアの名ばかり委員長。
担当はシステム、デザイン、ライティング。
本業はWebプロデューサー。
好きな事は、ゲーム・アニメ・お酒を飲むこと、歌うこと。
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