米子駅前の繁盛店!"まいもんや かっぱ"
今回の鳥取×働く人は”まいもんや かっぱ”の大将、前川直久さんです。前川さん、宜しくお願いいたします。
米子駅前の飲食店の方にも多く出演してもらっています。前川さんの出演もようやく実現しました。私も利用させてもらった事があります。
はい、実は他の方々の記事も読ませていただきました。この度はお声がけいただいてありがとうございます。
まいもんや かっぱについて
日本酒にこだわっているお店
仕込みで忙しいにも関わらず、我々の取材に応じてくれた。
日本酒にこだわっているお店です。お店側から押し付けず、ご自身の好みや飲むペースに合わせてご提供させてもらっています。これから日本酒を知りたい、覚えたいという方に是非来ていただきたい飲食店です。
私も日本酒に詳しくなりたいのですが、敬遠してしまいがちです。
実はね、僕自身もあまり飲めなかったんです。だから尚更、押し付けたくないんですよね。僕も押し付けられるのが嫌っだったので。
良いお酒、高いお酒が全てじゃない。「この料理にはこの日本酒じゃないと駄目」なんて事は言いません。お客様の口に合うものを提供していきたいです。
普通なイメージを大切にしている
他店との違いや、かっぱさんの強みを教えてください。
他店さんとの違いはそこまでないと思っています。素朴な感じ、普通なイメージを大切にしています。よく言われるのはお店っぽくないと言われます。家みたいに気軽に来れるようなお店が”まいもんや かっぱ”です。
うちはマニュアルもなくてね。接客もスタッフに任せています。危なっかしいところもありましたが、皆もだいぶ慣れてきました。
2016年8月25日に開業
2016年8月25日で、今年は3周年を迎えました。ようやくスタートラインに立てたと感じています。1年目と2年目は話題性でお客さんも来てくれましたが、ここからが勝負だと思っています。
好んでカウンターに座ってくれるお客さんが多い
何回か利用させていただきましたし、お店の前を通る時は覗いてみる事もあるのですが、いつも大変賑わっていますよね。主な客層についてお聞かせください。
曜日や天候にはよりますが、忙しくさせてもらっています。
うちのお店はカウンターに座ってくれるお客様が多いので、外から覗いたら賑わっているように見えるかもしれません。
若い女性の一人飲みもしやすいお店
落ち着いた雰囲気で、女性の一人呑みもしやすそうですね。お店作りをするにあたって、前川さんが特にこだわった部分をお聞かせください。
お一人で来られる方も多いです。若い女性が一人で来られる事も多いです。嬉しいですね。お店作りでこだわったところは、敷居を高くしない事、気軽に来れて美味しい物が食べれるお店作り。
お店を開くに当たって、宣伝などで工夫した点、苦労した点があれば教えてください。
それなりに宣伝もしてきましたが、開店当初に”晩酌セット”というメニューを提供していました。60分の飲み放題で安かったんです。利率は低くなりましたが、トライアル的にご利用してくださるお客様が多かったです。
そうなんです。ただ、僕達の方から辞めたというよりも、皆さんが他のお酒や料理に興味を持ってくださって。あれだけ人気だった晩酌セットを頼む人が減っていったんです。ですので、「そろそろ辞め時かな」という事で提供をストップしました。
『しっかり盛り』は本当にしっかり盛ってある
この道一筋の男が造る料理の数々は、一級品である。
かっぱさんの人気メニュー、おすすめメニューについて教えてください。
魚です。”しっかり盛り”というお刺身メニューがあるのですが、1680円で他のお店の倍近くはあると思います(笑)
私が直接市場に行って仕入れています。
宴会メニュー・飲み放題メニュー
米子駅前の居酒屋という事で、宴会での利用シーンも多いと思いますが、宴会メニュー、飲み放題メニューなどについて、教えてください。
2時間飲み放題で7品ついて4000円のコースをご用意しております。
あの王祿を取り扱っている
王祿(おうろく)を始めとする、お酒の品揃えが豊富なお店だ。
王祿(おうろく)を始め、銘酒が取り揃えてあるイメージがあります。王祿(おうろく)は、中々取り扱わせてもらえないらしいですね。
そうなんです。王祿(おうろく)を管理できる冷蔵庫がないといけませんし、認めてもらう必要もあります。保管する温度帯が低く、一般的には7度ですが、王祿(おうろく)は5度で管理しないと酸化が進んでしまいます。
どうやって取り扱わせてもらえるようになったんですか。
私が王祿(おうろく)のファンで販売店に行ってお願いしたのですが断られてしまって。いや、断られるのが当然だと思いますが(笑)
そこで王祿(おうろく)の酒蔵まで私が直接足を運びました。もちろん、一度だけでなく何度も。色々なお話をしていくうちに信頼していただいて、販売店さんの方から仕入れが許されるようになりました。
取り扱ってからも抜き打ちテストもあるようで。王祿(おうろく)の名に恥じないようなお店作り、ブランディングをしていかないといけません。
王祿(おうろく)の『にごり』飲ませていただいた。
カウンターだけでなく団体でも楽しめる
そうなんです。2階席では最大12名のお部屋をご用意しています。1階にも4人部屋が3つありますので、是非団体様でのご利用もお待ちしております。
料理人前川直久さんの素顔
気さくに受け答えしてくれる前川直久さん。なるほど、カウンター客に好まれる理由がそこにあるような気がする。
幼少期や学生時代の前川さん
ここからは料理人、前川直久さんの素顔に迫っていきたいと思います。幼少期や学生時代は、どのように過ごされたのですか。
私は芸者さんの置屋育ちでして。生い立ちとしては変わっているかと思います。やんちゃばかりしていて、ロクに学校に行ってませんでした。
15歳で料理の世界に飛び込む
前川さんは15歳で米子市内の割烹料理店で修業をされたそうですが、かなり若い頃から料理の世界に飛び込まれたのですね。
ほんとにね、やんちゃが過ぎて。学校の先生からは「お前は高校には行けない」と言われていたんです(笑)ですから、就職を勧められて料理の世界に飛び込みました。
15歳から今まで料理の世界におられるわけですから、長いですよね。
そうですね。この道一筋23年です。別に大層な事ではなくて、これしかできないから、この世界に居させてもらっています。
これまでのキャリア
基本的には和食のお店です。居酒屋、鮨屋、小料理屋、旅館などにいました。
長いキャリアをお持ちの料理人が辿り着いたお店作りが”まいもんや かっぱ”というアットホームなお店。何だか興味深いですね。
うーん。経験を活かせば創作料理もできるとは思います。しかし、"まいもんや かっぱ"で提供しているものは誤魔化しが効かない物ばかり。創作料理よりも、こういう基本的なメニューの方が料理人としての腕が試されたりするんですよ。
料理人前川直久の師匠とは
料理人前川直久の師匠、ズバリ一人挙げるならどなたですか。
もうお亡くなりになってしまったのですが、います。その方は、この界隈では名前を知らない人がいないくらいの方。いわゆる昔気質の人で、普段は気分屋で声を荒げる事もある。しかし、料理は丁寧、ダシ一つとっても他とは違う。火を止める時間も正確。同じ魚を使っても刺身の味が違う。
では、今の前川さんの味の土台はその方から教わったんですね。
今振り返ってみると、その方に直接教わったという感じでもなくて。見て盗んだというところでしょうか。時代ですね。
この業界の魅力
旅館・小料理屋・懐石料理店を経て、境港の海鮮居酒屋の立ち上げにも参加されてきました。料理人の世界の魅力を教えてください。
うちのお店は特にカウンター商売という事で、お客様の顔を見ながら料理をする。料理人としてもお客様に直接届けている、という感覚でいる事ができます。美味しそうに食べているお客様の表情、美味しかったという言葉、それだけでまた頑張れます。
お店には何時入りなの?
その日の予約や仕入れ具合にもよりますが、11時くらいにお店に入る事が多いです。仕事が終わるのは2時頃が多いですね。特に決めているわけではないですが。
うーん、平均睡眠時間は4~5時間程度でしょうか。僕ね、寝なくても全然平気なの。朝、活きの良いお魚を見ていると元気が湧いてくる。
休日はバイク仲間とツーリングへ
繁盛店であるまいもんやかっぱの大将である前川さん。丸一日のお休みってありますか?
基本的にはあまりないです。年に何回かはあるんですが、バイク仲間とツーリングに出かける事が多いですね。唯一、お店や料理から離れられる時間かもしれません。
プライベート料理には口出ししない
料理を生業とされる方に聞いてきた質問なのですが、プライベートでも料理をされる事はありますか?また、個人的に好きな料理、品目などあれば教えてください。
料理人によってタイプが分かれると思いますが、僕はしないタイプ(笑)自分は口出し、手出ししないようにしています。作ってもらった物に文句は言いません。美味しく食べさせてもらいます。
最近は釣りに行けてないんです
魚が大好きな前川さんは、幼い頃から釣りが趣味だったそうですが、今でも釣りをされる事はありますか?
忙しくて行けてないんです!時間を見つけて行きたいなぁ。
若者へメッセージ
前川さんのように一流の職人になりたい、そんな若者にアドバイスやメッセージをお願いします。
変に目標を持たない方が良いかもしれない。どんな業界でもそうだと思いますが、理想と現実は違います。また、料理人の世界も様々、料理のジャンルも色々、自分に合ったものを見極めて勉強してほしいと思います。
営業時間よりも仕込みや準備が長いのがこの世界。何でも楽しんで取り組んでほしい。興味があれば続けられます。頑張る子は応援します。
最後に
今後の夢や目標
まいもんやかっぱ、そして料理人前川直久の今後の夢や目標を教えてください。
背伸びするつもりはありません。たった3年間ですが、”まいもんや かっぱ”を通じて多くての方と出会ってきました。その方達を大切にしていきたいです。
読者へメッセージ
こうやって3周年を迎えられたのも皆様のおかげです。出来る限り今のスタイルを変えずにやっていきたいと思っています。
一度来ていただいたらどんなお店かおわかりいただけると思います。お酒や日本酒が苦手な方は料理だけでも味わってください。僕らに100%や100点満点はありません。しかしながら、それに近付けるように精一杯サービスさせていただきます。
“まいもんや かっぱ”が遠くなるのは嫌です。皆さんにとっての身近なお店でありたいと思っています。フラっと寄ってやってください。皆さんのお越しをお待ちしております。
今回の鳥取×働く人は”まいもんや かっぱ”の大将、前川直久さんでした。前川さん、ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました!丁寧な取材で驚きました。記事楽しみにしています。
前川 直久(まえかわ なおひさ)
まいもんや かっぱ大将/料理人
1981年3月15日生まれ
鳥取県米子市出身
芸者さんの置屋育ちという今では珍しい経歴の持ち主。幼少期や学生時代は悪さばかりしていた。ここには到底掲載できないような事も。
中学3年生での進路相談にて、担任の先生に「お前は高校には行けないから就職しろ」と言われ、料理人の世界に飛び込む。
昔から自然と遊ぶのが好きで日常的に釣りをしていた前川にとって、毎日お魚を見れる環境はキラキラしていた。
師匠は昔気質の人物で手取り足取り教えてくれるわけでもない。
言葉も態度も乱暴そのものであったが料理の腕は一級品。料理は丁寧、ダシ一つとっても他とは違う。火を止める時間も正確。同じ魚を使っても刺身の味が違う。
何かを教えてくれるわけではなかったが、それがまた丁度良い関係でもあった。教えてくれないのであれば盗んでやると、前川は師匠の料理を見て覚えるようになった。
旅館・小料理屋・懐石料理店を経て、境港の海鮮居酒屋の立ち上げにも参加。もう良い頃合いかと"まいもんや かっぱ"を米子駅前に開業。これまでの経験から創作料理などを主とした飲食店にする事もできたが、前川があえて選んだのは『普通の居酒屋』であった。
しかし、一見普通に見える"まいもんや かっぱ"にも前川のこだわりが窺える。あの王祿を取り扱っているのだ。王祿の酒蔵まで行って直談判。最初は相手にされなかったものの、二度三度を重ねていくうちに熱意が伝わる。
丸一日の休みもなく、睡眠時間も満足にとれない日々。それでも「生活は楽しい」「新鮮なお魚を見ると元気が湧いてくる」と前川は語る。
「他店との違いは特にない、うちは普通のお店です」と言ってのけた前川だったが、"料理の鉄人"前川直久の存在が、"まいもんや かっぱ"を唯一無二の居酒屋たる所以であった。
インタビューを終えて
そんな前川さんが造る"しっかり盛り"、是非食べてみてください。
前川直久さん、ありがとうございました!
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山陰ペディアの名ばかり委員長。
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